一万年前、たけるが戻って、3ヶ月が経つ……
ティナ:「おかしいヨ…パパ……たけるが戻らない……私たちがキャッチした通り…おじさんの研究所に、何かあったとしか……。」
長 :「そうだな。みなのシッディーキャッチが正しいかもしれんな……」
ティナ:「私……助けにゆく……」
長 :「おまえのシッディーでか?それは無理だ。一万年だぞ…。
あっちは、大変な分子密度、物質密度だ…危険すぎる……たどり着けん……行っても、物質化が危険だ……おまえは、あの時代の人と比べて、分子がとても薄い…」
ティナの手紙
“大好きな父(パパ)へ
わたしは、分離してしまった未来の世界を、そして彼を、一万年の時をさかのぼって、助けに行く…ゆるして…。
時空をこえて、一万年先の未来へ……。
2022年という時代へ…そして、彼を助ける……。「もう、戻れないかもしれぬぞ。破壊されてしまうかもしれない…。それでも行くのか…?」
と、心配してくれたけど、ごめん。本当にごめんなさい。
それでもゆきます。”ティナ
ティナは、シッディの細き道を抜けて、一万年後の、物質化されてしまった、2022年と呼ばれているという未来へ、旅立った…。愛へ還るために……。分離して苦しむ人々を救うために……。
ある時、夢を見て、うなされた……。
ティナに会いたいのに……。
永遠に会えず……。のたうち回る自分だった……。
母さんが言った……。
母:「必死に叫んでいたヨ……。何か、テェーとか、なんとか…。」
たける:「母さん、それは“ティナ”だよ、きっと…。」
母:「そう、ティナなの……フゥン……。」
そして、その夢の最後に、大きな栗の木の下でのティナが「何万年でもここで待つ」と言っていた…。
たける:「母さん、あの約束の丘って、あるじゃない…街のはずれの…。
あれ、なんで“約束の丘”って、ゆうんだろう…。」
母:「さぁ~わからない…」
たける:「栗の木ってどれぐらい生きるのかなぁ~。」
母:「自分で探して……。」
たける(ひとりごとのように)「一万年で、何世代に栗の木ってなる…?」
母:「わかんないよ…。」
たける:そうか、やっぱり、行ってみよう…。
まさかとは思うけど……やっぱり、行ってみよう、リリ…行くぞ……。
リリと僕は、思い切り走った…。
約束の丘へ……そこが、ティナのいる場所のような気がしてならなかったのだ……。
…………まさか……そんなことあるわけないけど……走った……リリも思い切り走った……。
遠く、丘が見えてきた…約束の丘…いや、大きな栗の木、約 束 の 場 所…
たける:「うそだろリリ……丘が、なぜか光ってないか……
……うそだ…そんなわけなぁ~い~~~~~~~~」
その丘に着くと、大きな、大きな栗の木があって、その木の下…。
輝くティナが、本当に立っていた…本当に…そこにいた………
ティナ:「たける、遅いよ…一万年待ったよ……」
僕は、永遠、そう永遠にティナを抱きしめた…リリも、共にい た………
THE END